今年の夏(6月~8月)を振り返って

報告清水 為一

6月、7月は移動性高気圧に覆われて晴れる日が多くなりました。しかし、6月中旬、7月下旬には、気圧の谷や前線の影響で、雨になる日が多く、雨量も平年の3倍近くと多くなりました。

また、8月上旬の終わり頃から、気圧の谷や前線、太平洋高気圧の縁を廻って暖かく湿った空気が入ったため、下旬の雨量の合計が、142,5ミリと平年の2倍に達しました。  気温は、期間を通して平年より1~2度高目で推移し、蒸し暑い夏となりました。  日照時間は、晴れた日が多かった6月、7月は平年よりやや多かったものの、8月は天気がぐずついたため、平年の7割程度に止まりました。

 今年は大気の状態が不安定となる日が多かったため、短い時間に局地的に強い雨が降り、8月27日の大雨では大豆やジャガイモなどの畑が冠水する被害が出ました。  また、本州では9月に入って埼玉や千葉などで竜巻による大きな被害が発生しています。北海道でも平成18年11月7日オホーツク管内の佐呂間町で国内最大級の竜巻が発生し、9名の方が亡くなっています。

 竜巻は、局地的な現象で発生の予測が難しいので、発達した積乱雲(雷雲)が近づく兆しを察知することが重要です。真っ黒い雲が近づき、冷たい風が吹き、大粒の雨やひょうが降り出すことが目安になるでしょう。このような兆しが見えたときには、屋外では頑丈な建物の陰で身を小さくし、建物の中に入りシャッターを閉めて飛んでくるものを避けること。屋内では窓やカーテンを閉めてその場から離れ、窓のない部屋に早く移ることです。外国ではバスタブの中やトイレに逃げ込むこともあるようです。

 気象台では、このような状態の時には「竜巻注意情報」を発表して、注意を呼びかけますので、今後も情報に注意してください。