今年の冬を振り返って

報告清水 為一

 4月に入って随分と暖かくなってきましたが、今年の冬は"寒かった"というのが実感ではないでしょうか。上の図は、恵庭の気温経過、下の図は降雪・積雪の経過です。中心のなだらかな曲線は平年値です。

 気温を見ると、1月下旬、やや高いものの、その前後は低くなっています。

 この冬は、偏西風が大きく蛇行しユーラシア大陸東部に北極の寒気が南下し続け、厳冬となりました。北海道を"クリスマス寒波"、"年末寒波"さらに"1月2月寒波"が直撃し、厳しい低温となりました。2月の月平均気温は氷点下8.4度と低く統計開始以来、第6位の記録でした。

 また、低気圧が発達しながら北海道を通過するパターンが繰り返され、恵庭では降雪・積雪は何れも平年より多く、雪の降った日が多くなりました。積雪の深さの最大値は、2月25日の100センチで、これは統計開始以来、第6位の記録となりました。

 昨年(平成24年)の夏は、記録的な猛暑となりましたが、その原因は、偏西風の蛇行にありました。この冬もやはり、同じように偏西風が大きく蛇行したため、厳冬となったわけです。偏西風が蛇行すると、冬は寒気が居座ったり、夏は太平洋高気圧が強まるなど日本の天気に大きな影響を与えるため、偏西風の動向に注意する必要があります。

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