第3回防災対策隊研修会 防災研修バスツアー

報告恵み野北町内会

 例年、防災対策隊の研修として一般参加者も募るバスツアーが9月8日(日)行われました。
 今回は、6年前の9月6日震度7の地震で被害が大きかった厚真町を訪れ、被害の状況やその後の復興を被災地ガイド(厚真町観光協会)の説明を聞き、防災の知識を深めようと計画されました。天候は晴れ穏やかな気温に恵まれ、参加者は小学生5名を含む33名、内防災対策隊員は20名でした。

 胆振東部地震では、ブラックアウトによる電気のない生活が強いられ、災害の記憶が思い起こされます。厚真町では地震による土砂崩れが多発し、斜面崩壊面積は明治以降国内最大規模と言われています。被害で亡くなった方は44名、内厚真町では37名の方が被害にあっています。

 被災地ガイドの山路さんから、車中から被害の大きかった吉野地区、富里地区をバスで巡りながら説明がありました。人家に近いところは地表面の修復が終わっていますが、山林の方は当時の傷跡をみることが出来ます。1.6キロに渡って斜面が崩れた吉野地区では、斜面に近い住宅が被害にあっています。
 開拓した当時、田畑の面積を多くとるため住宅は山を背に建てるのが当然の選択でした。所々木々が茂り山林のまま残っている箇所もありましたが、その原因は約6千年前、樽前山が噴火し堆積した火山灰の影響とのことです。火山灰が堆積したところは地震後、数秒で斜面が崩れ、住宅が崩壊しました。逃げる余裕もなかったそうです。厚真町の半数近くの方がこの地域で被害にあっています。
 山路さんは教員の経験もあり、亡くなった生徒の思い出を話されました。

 富里地区では、約700メートルに渡って斜面が崩壊し、完成して間もなかった浄水槽が被害にあい、被災後の水道の復旧に大きな影響をもたらしました。浄水槽の階段が100m、土砂で流されました。 

 最後の説明場所は、厚幌ダムです。ダム本体の堆積は48万リューベに対し、流入した土砂は70万リューベと言われています。土砂の流入により貯水量が大幅に減少し除去作業が行われました。厚幌ダムのおかげで、厚真川への土砂流入を防ぎ、供水被害による二次災害を防いだといわれています。
 ダムから見渡せる山肌には、崩れた地表面がそのまま残っている様子をみることができました。

 ガイドの山路さんも地域では町内会の役員を務めています。避難所生活での経験から人の和、絆の大切さを痛感し、備えの第一歩は、共に支え合える町内会活動からとお話していたのが印象に残りました。

災害の跡

厚幌ダム

被災地ガイド山路さん